こんにちわ,五十嵐です.警察政策フォーラム「サイバー犯罪・サイバーテロ対策の推進に向けて」に行ってきました.リンクを張ろうと思ったら,@Plice から案内が消えていました.はやいっ!
日時:平成18年7月12日(水) 10:30-17:30
場所:グランドアーク半蔵門 4 階「富士東の間」
主催:(財)社会安全研究財団,警察政策研究センター
後援:警察政策学会
プログラム
10:30 開会
10:30-10:40 開会挨拶 上田 正文 (財)社会安全研究財団専務理事
10:40-11:30 基調講演 アンディ・パーディ氏
米国国土安全保障省国家サイバーセキュリティ課課長代行
兼 米国コンピュータ緊急事態準備チーム長
11:30-12:20 基調講演 アンドリュー・リブスレー氏
英国重大組織犯罪対策庁電子犯罪部次世代技術・事業部門長
13:30-13:50 基調講演内容紹介
13:50-17:30 パネルディスカッション
田中 芳夫 マイクロソフト(株) 業務執行役員 CTO
中尾 康二 KDDI(株) 技術統括本部技術開発本部情報セキュリティ技術部 部長
安冨 潔 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 弁護士
青山 研一 警察庁情報通信局情報技術解析課長
坂 明 警察庁生活安全局情報技術犯罪対策課長
コーディネータ:小野 正博 警察政策研究センター長
非常に簡単に内容を紹介します.三行程度にまとめたのでかなり端折っています.
米国DHS バーディ氏:NIPP(National Infrastructure Protection Plan)を策定し IDWG(Internet Disruption Working Group)がネットワーク犯罪に係る早期発見を行っている.国際的には IWWN(International Watch and Warning Network)による情報共有.単独では防御できないので協力・連携が必要.
英国SOCA リブスレー氏:包括的に組織犯罪に対処するのが SOCA の役割.法の執行だけでなく予防も行う.e-Crime の部門では使用中のネットワークへの介入や,金銭の支払い段階での介入を行い,犯罪が見合わない状況を作ろうとしている.犯罪者側の脆弱性を突く.コラボレーション,パートナーシップが重要.
警察庁 坂氏:不正に金を得るためのサイバー犯罪が増えている.6月からインターネット・ホットラインセンターを開始した.犯罪の予防にも力を入れている.官民学の連携強化.国際協力.
MS CTO 田中氏:新聞の普及率が 10% になるのに 75 年かかったが,インターネットは 5 年.サイバー犯罪防止はCSRの一環.Blaster 以降,SDL:Secure Development Lifecycle を導入し,大きな問題が無くなった.設計段階,プログラミングの段階からセキュリティのチェックポイントを設けて開発を行っている.捜査機関窓口設置,警察庁との技術協力協定.
慶応安冨氏:デジタル・フォレンジクスが重要.「コンピュータ犯罪」→「ハイテク犯罪」→「サイバー犯罪」と用語が変わってきているのは状況を反映している.日本は伝統的に情報そのものを守ると言う概念がなく「情報が記録された媒体」を客体とする法制になっている.サイバー犯罪条約の締結に伴って刑法等を改正しようとしているが,組織犯罪であることが多いことから「共謀罪」と抱き合わせになっていて,なかなかすすまない.国際的な連携などはまだ具体的な立法には至っていない.
警察庁 青山氏:サイバーテロの定義.予兆の収集を行い,重要インフラ,関係機関との連携を行っている.全国50数箇所のデータを東京に集約.重要インフラ事業者との連携,訓練の実施.MS社との技術協力.緊急対処活動の体制整備.
Telecom-ISAC 中尾氏:通信インフラの安定運用を目指して情報共有基盤の構築.事例紹介.本当のパケット送出元を探知するトレースバックの技術開発.NICT による重要インフラ連携."nicter!" によるネットワークのマクロ解析とマルウェア検体分析によるミクロ解析.SPREAD(セキュリティ対策推進協議会)による情報提供.サイバー演習の実施.目的をもち,モデルを明確にした演習が重要.
その後,コーヒーブレークをはさんで質疑応答がありましたが,省略します.
「協力」「連携」という言葉が何回も使われていました.サイバー犯罪には国境は関係なく,プレーヤーが様々な国に分散していて役割が別々になっている.恒常的な組織ではなく,ビジネスとして行うプロジェクトのような形のチームで犯罪が行われている.国内での産官学連携だけではなく,国際的なコラボレーションが重要になるということをみなさんが繰り返し説明されていました.坂さんから紹介されたイベントだったので,初めて「警察政策フォーラム」に参加してみました.日本のサイバー犯罪の傾向を聞くにつれ,愉快犯は徐々に割合が小さくなり,金儲けのための犯罪が増えてきていることがよくわかりました.米国,英国の状況を聞くと,日本の体制整備は少し遅れている感じがしました.特に起こりつつある犯罪への介入,事前予防といった面では法制も含めて整備が必要です.前国会では審議がまとまらなかった「共謀罪」と分離してサイバー犯罪の刑法改正を行った方がよいと感じました.
カテゴリ:情報セキュリティ
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