2006年3月アーカイブ
ソース:まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記: 生体認証 偽指問題についての論文
いかちょー (2006-03-31 14:30) | コメント(0)| トラックバック(6)
極論すると「ソフトウェアを作ったら罪に問われる可能性がある」という,こわーい話です.立法側としては「運用でそこまではやらないよ」といういつもの論旨らしいのですが,うかつにプログラムを作れないということになりかねません.
Winny の作者である金子氏が著作権法違反幇助の罪に問われている裁判は,多くの人が注目していることでしょう.
便利なものを作ってみたら,思ってもみない方法で悪用された.そういうことで作成者が罪に問われるのかというのが最大の論点だと思います.
FTP というファイル転送の標準プロトコルがありますが,これを実装したファイル転送ソフトウェアはたくさんあります.Winny の裁判の論点とは少し異なるのですが,極端な解釈では,この FTP プログラムの作成者も罪に問われかねないというのが Winny の裁判の注目されているところであり,「作成罪」に対して私が敏感になっている点です.
Winny を悪用した Antinny などのウィルスが蔓延しているために,Winny そのものが悪いと考える風潮があるようですが,Winny そのものは P2P の技術を用いた先進的なソフトウェアであるということは,このブログの読者の皆さんには言うまでもないでしょう.Winny を利用しなければ,Winny を経由した情報漏洩は発生しないというのも事実ですから,Winny の利用そのものをやめるというのも対策としては有効です.
しかし,Winny の利用をやめるということと,Winny そのものが悪いのかどうかということは,区別して考える必要があります.Winny 裁判では,是非とも被告無罪という結末になることを私は願っています.
一方で,ウィルスのような作成時に悪意を持って作られるソフトウェア(マルウェア)についても考えておく必要があります.「悪意」は目に見えませんから,技術力を具現化するために試しに作ってみた(だけで,流布はしない)というものと,流布することを目的に作られたウィルスのようなものを区別することはできません.これをひとくくりにして罪に問おうとするのが「作成罪」なのです.「真意」は目に見えないのだから,出来上がった結果として悪さをするプログラムは,すべて作った者が悪いということです.
高木さんのブログでは,"format c:" という一行プログラムの例が書かれています.自分の便宜のために作ったプログラムが,悪意の元では PC の環境を破壊するものになってしまうという例です.この一行プログラムの作成者を「作成罪」に問うのか否か.貨幣は民間人が作成した時点で罪に問われるが,ソフトウェアも同様に考えるのか.紙幣とソフトウェアはどこがちがうのか.そういう点を非常によくまとめてくださっています.
便利だと思って作ったものが,いつの間にか意図しない方法で悪用されて,作成者が罪に問われる.そんな社会になってしまったら,シェアウェアもフリーウェアもオープンソースソフトウェアも,怖くて世の中に出せなくなるでしょう.OSS にとっては,推進を阻害する要因になるでしょうね.ウィルスを世の中に出すということと,なんとかして区別することはできないものでしょうか.ひとくくりにして「作成罪」にするのは勘弁して欲しいものです.
罪を憎んでソフトウェアを憎まず,ってことにはならんですか.
【追記】
実は私は Winny を利用したことがありません.一度は利用してみたいと思っていたのですが,今となっては Winny を利用するのはやめておいた方が良さそうですね.
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いかちょー (2006-03-30 15:50) | コメント(0)| トラックバック(2)
こんにちわ,五十嵐です.かなり長いことブログをお休みしていました.本日より,ぼちぼちと再開していきます.
会社のビルの周りの桜は全体としては7分咲きですが,中にはほぼ満開の木もありました.写真は喫煙所で撮ったものです.ちょっと古い携帯なのでいまいちですが,白い桜が見事に咲いていました.
喫煙所というのでわかると思いますが,私は愛煙家です.ビル全体が禁煙なので,外の喫煙所に吸いに行きます.全社禁煙になったのは,昨年末からですが,そろそろコートも要らなくなったので,息抜きにはちょうど良い季節になりました
ところが,ビルが全面禁煙になってから,トイレの便座に焼け焦げができるようになりました.身内の恥を晒すような話ですが,社員の中にルールを守れない者がいるようです.時々,トイレからタバコの臭いがすることもあります.嫌煙家の方にとっては,喫煙者全体への怒りとなってぶつかってくることでしょう.同じ愛煙家としても恥ずかしい限りです
そこで,ガバナンスとモラル・ハザードのお話.
会社の方針としてばかりではなく,ビルの規則として定められているものが,一部の人間によって破られる.これが縮小傾向ならばやがては消滅するかもしれませんが,隣の人もやってるという屁理屈で拡大していくと,ルールが形骸化します.これがモラル・ハザードです.
私は,モラル・ハザードが起きる要因には二つあると考えています.一つは,"Broken Window Theory"に見られるような匿名性がある環境での軽微な違反の放置から始まるものであり,もう一つは,過度な負担を強いる規則などからの抜け道探しです.
情報セキュリティ対策でも,誰にも知られずにこっそりできる状態があると,それを悪用しようとする輩は必ず出てきます.また,過度に負担を強いるような面倒な対策を講じると,人は必ず楽をする方法を見つけ出します.そのような状態では,いくらガバナンスを強化しようとも,必ずどこかで破綻してしまいます.情報漏洩などに関していえば,たった一人の違反者がいるだけで,すべての対策が台無しになってしまいます.
負担を強いる代わりに何らかの見返りが得られるような対策ができればよいのですが,そんなに都合の良い方策はなかなか見つかりません.攻めに使える情報セキュリティ対策.経済産業省などが推進しようとしているのは,そういうことなのでしょうね.
情報セキュリティ対策によって世の中を明るくするような,みんなが率先して行うような,そんないい方法はないものでしょうか.
【追記】
"Broken Window Theory" は,日本語では,滋賀県のページ「ブロークン・ウィンドウズ(割れ窓)理論とは」をご覧になるとよいかと思います.
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いかちょー (2006-03-28 16:50) | コメント(0)| トラックバック(3)
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